秋田の玉川温泉と新玉川温泉、どっちに泊まるべき?──温泉ソムリエマスターのわたしが、実際に両方に泊まって比較してきました。
結論から言うと、コスパと湯治場らしい落ち着きなら玉川温泉、設備の快適さなら新玉川温泉です。料金・お風呂・名物の天然岩盤浴・部屋・客層まで、正直に比較します。
湯治が初めての方は湯治と新・湯治の基礎解説もどうぞ。
玉川温泉・新玉川温泉とは
どちらも秋田県仙北市、田沢湖駅からバスで向かう山あいの温泉宿です。日本有数の強酸性泉として知られ、昔ながらの湯治文化が今も残っています。玉川温泉は名物の「天然岩盤浴」がすぐ近くにあり、新玉川温泉は設備が新しく快適に過ごせるのが特徴です。


泉質と効能|温泉ソムリエ視点で見る日本一の強酸性泉

泉質:酸性─含二酸化炭素・鉄(Ⅱ)・アルミニウム─塩化物泉。世界でも珍しい塩酸を主成分とするお湯です。
pH:源泉「大噴(おおぶけ)」でpH1.05〜1.2ほど。日本一の強酸性泉です。
湧出量:大噴から毎分約9,000リットル。一か所からの湧出量としても日本一を誇ります。

一般的な適応症としては、皮膚病・神経痛・高血圧・動脈硬化・婦人病などが挙げられます(効果には個人差があります)。強酸性のお湯は肌への刺激が強いぶん、入り方を間違えると湯ただれのリスクもあるので、後述の注意点を必ず読んでから入ってください。持病のある方・体調に不安のある方は事前に医師に相談を。
料金比較|秋田の旅行割でここまで安くなった
今回はどちらも1泊朝夕食付き(ブッフェ)で宿泊。秋田県の旅行割キャンペーンをじゃらん経由で使ったところ、実際の支払いはこうなりました。
| 通常料金 | 旅行割適用後(わたしの実例) | |
| 玉川温泉(旅館部) | 12,980円 | 5,780円 |
| 新玉川温泉 | 16,720円 | 10,720円 |
※どちらも1泊朝夕食付き・1人あたり。別途、入湯税150円がかかります。
【キャンペーン期間について】わたしが利用した秋田得旅キャンペーン第1弾は2026年7月31日宿泊分で終了ですが、第2弾(宿泊:2026年11月1日〜2027年2月28日、クーポン配布:10月1日〜)の実施が決まっています。秋冬の旅なら同じようにお得に泊まれる可能性があります。なお玉川温泉には冬期休業期間があるため、第2弾で狙う場合は営業期間を公式サイトで確認してください(新玉川温泉は冬期も営業しています)。また冬期(12月〜4月下旬)は道路の冬期通行止めによりマイカーでは行けず、田沢湖駅からの路線バス利用になる点にも注意してください。
キャンペーンの探し方・使い方は都道府県の旅行割まとめ記事で解説しています。クーポンを取得してからじゃらんで予約するだけです。
部屋タイプ別の料金一覧|トイレ付きの部屋はどれ?
玉川温泉は「旅館部の中でもトイレ付きとトイレなしの部屋がある」のがポイントです。公式予約サイトの料金(2026年7月時点・税込)をもとに、1泊2食・2名1室利用時の1人あたりの目安をまとめました。
| 玉川温泉 | トイレ | 1人あたりの目安 |
| 旅館部 西館・南館(洋室ツイン・和室) | 洗浄機付きトイレあり | 約15,000〜16,600円 |
| 旅館部 本館・東館(和室4.5〜7.5帖) | なし(共同) | 約10,200〜11,900円 |
| 自炊部(4.5〜7.5帖) | なし(共同) | 素泊まり約5,200円〜/2食付き約10,000円〜 |
| 新玉川温泉(全室トイレ付き) | 1人あたりの目安 |
| 基本プラン(2食付き) | 約15,950円〜 |
| 3泊以上の連泊プラン(2食付き) | 約15,450円〜 |
| 特別室プラン | 約26,400円〜 |
※料金は公式予約サイトの最低価格帯(2026年7月調べ)で、時期・曜日により変動します。1名利用は割増になることがあります。なお、どちらの宿も客室にお風呂はなく大浴場利用(新玉川のD館リニューアル室のみシャワーブース付き)です。最新の料金は予約サイトでご確認ください。
自炊部と旅館部(トイレなし)、結局どっちを選ぶ?
ここで疑問になるのが「自炊部の2食付きと、旅館部のトイレなし部屋、ほぼ同じ値段だけど何が違うの?」ということ。両方見て感じた結論は「実質ほぼ同じ」です。
- 部屋の造り:どちらも4.5〜7.5帖の和室・共同トイレで同じ
- 料金:自炊部に朝夕ブッフェをつけると、旅館部トイレなしとほぼ同額
- 違い:自炊部は自炊場が使えて、素泊まり(約5,200円〜)から2食付きまで選べる自由度がある
「自炊部の方が湯治感がある」という雰囲気の違いはあるものの、部屋・食事・トイレ環境で見ると差はほぼありません。選び方は、数泊で食事付きならどちらでも大差なし。長期連泊で食費を調整したいなら自炊部。食事付きでトイレ付きの部屋が良いなら旅館部の西館・南館、が答えです。
お風呂の違い|強酸性のピリピリは想像以上
お湯そのものは両施設で大きな違いは感じませんでした。浴場には弱酸性・源泉50%・源泉100%の浴槽があり、休憩を挟みながら弱い方から徐々に強い方へ入っていきます。
ピリピリ感は想像以上でした。源泉50%は浸かって数分でピリピリ、源泉100%は浸かった瞬間からピリピリして、わたしは1分くらいが限界。それでも上がったあと、ずっとガサガサだった肘がつるすべになっていたのには驚きました。
浴場の雰囲気は玉川温泉のほうが薄暗くて落ち着いた印象。静かに湯と向き合いたい人は玉川温泉が好みだと思います。
名物・天然岩盤浴|近場なら毎週通いたい
玉川温泉といえば天然岩盤浴。地熱で温まった岩の上に寝転ぶだけなのですが、これがものすごくいい体験でした。近場にあったら毎日でも毎週でも通いたいくらいです。玉川温泉からはすぐ近くで、新玉川温泉からは移動が必要なので、岩盤浴が目当てなら玉川温泉が便利です。

わたしはレジャーシート・バスタオル・枕用のタオル・飲み物を持参しましたが、レジャーシートは薄くて地面の熱が伝わりすぎ、ちょっと熱すぎました。やはり定番のゴザがいちばんだと思います。次は必ずゴザを持っていきます。
部屋・食事・雰囲気の違い
玉川温泉|昔ながらの湯治場。圧倒的コスパ
わたしが泊まったのは旅館部の本館(トイレなしタイプ・上の表では約10,200円〜の部屋)です。部屋にトイレ・洗面所がないので苦手な人はいるかもしれませんが、掃除は行き届いていました。虫が少しいるのは山の宿なのでご愛嬌。一人客が多く、全体的に新玉川温泉より落ち着いた雰囲気です。ブッフェ会場は玉川温泉のほうが食事が取りやすかったです。


新玉川温泉|きれいで今風。快適さ重視ならこちら
新玉川温泉は建物がきれいで、部屋はベッド・テレビあり。トイレ・洗面所も部屋に付いているので、夜中の移動がしんどい人も安心です。虫も気になりませんでした。グループ客が多めで、玉川温泉より賑やかな雰囲気です。


両宿は行き来できる|湯めぐり便と湯めぐり入浴券
湯めぐり便|玉川温泉⇔新玉川温泉が無料で行き来できる
両方泊まる予定の方や、宿泊者で別館の温泉も体験したい方にとって最重要なのが「湯めぐり便」。玉川温泉と新玉川温泉の間を無料で1日5往復送迎してくれるバスです(宿泊者限定)。所要時間は約7分。フロントで湯めぐり入浴券(無料)を受け取ってから乗車します。

湯めぐり便に乗れないタイミング(時間が合わない・混雑等)は、路線バス(1回200円)も走っています。両方組み合わせると柔軟に移動できます。
湯めぐり入浴券|片方に泊まればもう片方に入浴できる
片方の宿に宿泊すると、もう片方の温泉に無料で入浴できる「湯めぐり入浴券」がフロントでもらえます。湯めぐり便(無料送迎)と組み合わせれば、1泊でも両方の名物泉を体験可能です。
使い方はシンプルで、チェックイン時にフロントで湯めぐり入浴券を受け取り、湯めぐり便で移動して先の宿の大浴場受付で提示するだけ。時間・体力に制約がある方や、まずは日帰り感覚で両方の温泉を体験したい方には嬉しい制度です。
それでも「両方に泊まる」価値はある
1泊で両方入れるならそれでいいのでは?と思うかもしれませんが、両方に泊まってみて実感したのは以下の点です。
- 早朝と夜の入浴を両方の宿で体験できる:湯めぐり便は日中運行のみ。朝晩の空いた時間帯の温泉は宿泊者だけの特権
- 天然岩盤浴をゆったり体験できる:横になって数十分過ごすタイプなので、日帰りだと時間が足りない
- 食事内容が違う:自炊部・旅館部・新玉川温泉ブッフェで、それぞれ味わえる料理が異なる
- 湯治の効果は1日では出ない:強酸性泉は「初日は50%源泉から慣らす」のが基本。本格的に効かせたいなら2〜3泊は欲しい
「まずは体験したい」なら1泊+湯めぐり入浴券、「じっくり温泉に浸かりたい・湯治したい」なら両方に連泊という選び方が現実的です。
路線バス|玉川温泉⇔新玉川温泉(有料・宿泊者以外もOK)

湯めぐり便を逃した時や、日帰り客・宿泊予定でない方は、羽後交通・秋北バスの路線バス(200円)を利用できます。玉川温泉→新玉川温泉は1日6便、新玉川温泉→玉川温泉も1日6便運行しています(4/16〜10/19の夏期)。
比較表|玉川温泉と新玉川温泉の違い一覧
| 玉川温泉 | 新玉川温泉 | |
| 今回の宿泊費 | 12,980円→5,780円 | 16,720円→10,720円 |
| 部屋 | 昔ながら。棟によって異なる | ベッド・テレビ・トイレ・洗面所あり |
| 雰囲気 | 薄暗く落ち着いた湯治場 | きれいで今風・賑やか |
| 客層 | 一人客・湯治客が多い | グループ客が多め |
| 食事(朝夕ブッフェ) | 会場が使いやすい | ライブキッチンあり |
| 天然岩盤浴 | すぐ近く | 移動が必要 |
| 虫 | 少しいる | 気にならなかった |
| こんな人に | コスパ・連泊・静けさ重視 | 快適さ・清潔感重視 |
結論|どっちがおすすめ?
玉川温泉がおすすめの人:とにかくコスパよく連泊したい、一人で静かに湯治したい、天然岩盤浴にたくさん通いたい人。虫と共同トイレが平気なら、圧倒的コスパで湯治場の雰囲気を味わえます。
新玉川温泉がおすすめの人:快適な部屋でゆっくりしたい、部屋にトイレ・洗面所がないと不安、夜中の移動がしんどい人。体調に不安がある人は新玉川温泉のほうが安心して過ごせます。
アクセス|田沢湖駅から路線バスで(車窓が観光級)
田沢湖駅から路線バスで片道1,700円。道中はブナの森、玉川ダム、玉川湖畔、コバルトブルーの川と続き、観光バスに乗っている気分でした。

体が弱いわたしには重要ポイントなのですが、道はきちんと舗装されていてガタガタせず、多少曲がりくねった区間はあるものの乗り物酔いはしませんでした。平日でもバスは満員だったので、座りたい人は早めにバス停へ。
なお路線バスは遅れがちで、今回も帰りのバスが10分遅れました。帰りの電車は余裕を持った時間で計画するのがおすすめです。
田沢湖駅⇔玉川温泉・新玉川温泉 路線バス時刻表
羽後交通・秋北バスの時刻表です。夏期(4/16〜11/30)と冬期でダイヤが異なるため、事前に必ず最新情報をご確認ください。

日帰り入浴|宿泊しなくても楽しめる
「宿泊は予約が取れないけれど、あの強酸性泉を体験してみたい」という方には日帰り入浴という選択肢があります。玉川温泉・新玉川温泉ともに日帰り入浴に対応しており、宿泊しなくても名物の湯を味わえます。
日帰り入浴の営業時間・料金
日帰り入浴の営業時間は10:00〜15:00(最終受付14:30)です。宿泊者向けの大浴場とは受付時間が違うので注意してください。
| 項目 | 内容 |
| 営業時間 | 10:00〜15:00(最終受付14:30) |
| 入浴料(大人) | 1,000円 |
| 入浴料(小人) | 500円 |
| 日帰り休憩室広間 | 10:00〜15:00 / 1,500円(別途) |
入浴の合間に休憩したい方は、日帰り休憩室広間を1,500円で利用できます。強酸性泉は体力を使うので、初めての方は休憩室セットも検討する価値があります。
【夏と冬で異なる点】上記の営業時間は通常期(春〜秋)のものです。冬はまず、玉川温泉が冬期休館となるため日帰り入浴もできません(冬の日帰りは新玉川温泉のみ)。新玉川温泉は冬期も日帰り入浴できますが、受付時間が短縮される場合があります。さらに国道341号線の冬期通行止め(12月〜4月下旬)によりマイカーでは行けず、田沢湖駅からの路線バス利用のみ。本数も限られるので、冬に日帰りで行く場合は営業時間とバス時刻の両方を公式サイトで確認してから出かけてください。
日帰り客の駐車場|県営玉川園地駐車場
玉川温泉を日帰り入浴で車を利用する場合は、県営玉川園地駐車場を利用します。
- 料金:1回300円
- 利用時間:8:30〜16:30
- 宿泊者は宿の前まで車で乗り入れ可能(駐車場料金不要)
日帰り客は駐車場から歩いて宿へ向かうかたち。強酸性の湯を初めて体験する方は、まずは日帰りで様子を見るのもおすすめです。
新玉川温泉は宿の無料駐車場を利用できます。
強酸性ならではの注意点
チェックイン時に「目にお湯を入れない」「体を掻かない」などの注意事項の説明があります。部屋の机には温泉の入り方を詳しく解説した冊子が置いてあるので、入浴前に必ず目を通してください。
常連さんと話したところ「浸かりすぎて湯ただれした」とのこと。強い温泉ほど欲張らず、短めから慣らすのが鉄則です。肌トラブルや持病のある方は、事前に医師に相談すると安心です。
持ち物リスト|強酸性の湯で失敗しないために
玉川温泉はpH1.2の強酸性泉。普通の温泉旅行の感覚で行くと衣類が変色・劣化してしまうことがあります。玉川温泉に行くなら意識したい持ち物をまとめます。
強酸性泉対応の必須アイテム
- タオル・バスタオル:宿泊者は宿の備え付けあり(持参不要)。日帰り客は持参またはレンタル(200円)。強酸性で変色・劣化しやすいので、持参する場合はお気に入りは避ける
- 古めor化繊の丈夫な服:同上の理由。長期滞在ほど摩耗する
- 保湿スキンケア用品:入浴後に肌の油分が抜けるため、多めに
- 金属アクセサリーは外して行く:金・プラチナ以外は腐食します
- 爪切り・目薬:爪が脆くなる/蒸気で目が乾きやすい
天然岩盤浴用の持ち物
- ゴザ:現地売店で購入も可(約1,500円)。
- 汗拭きタオル・飲み物(500ml以上):岩盤浴で大量に汗が出るため
- 着替え(Tシャツ・短パン):汗をかいた服のまま部屋に戻らないよう
- 枕(タオルで代用可):岩盤浴で横になる時間が長いため
湯治全般の基本の持ち物や過ごし方は湯治とは?新・湯治との違いと「ゆる湯治」のやり方で解説しています。
玉川温泉 よくある質問(FAQ)
熊は大丈夫?
玉川温泉は八幡平の山中にあるため、熊の生息域内です。公式が2026年6月に岩盤浴エリアの熊対策を発表しています。
- 岩盤浴エリア周辺の草刈り強化
- 忌避剤(熊除け)の散布
- エアホーンの配置
過度に怖がる必要はありませんが、熊鈴をつけて岩盤浴エリアや遊歩道を歩くと安心です。
冬も営業している?
玉川温泉には冬期休業期間があります。国道341号線の一部が冬期通行止めになるためです。新玉川温泉は冬期も路線バスでアクセス可能で営業しています。営業期間は年によって変わるため、公式サイトで最新の情報を確認してください。
予約は取りにくい?
湯治シーズン(5〜10月)は人気が集中し、特に土日や連休は1〜2ヶ月前の予約がおすすめです。平日なら比較的取りやすい傾向。予約は公式サイト、または楽天トラベル・じゃらんなどの予約サイトから可能です。自炊部の湯治プランは公式サイトが最も選択肢が多いです。
まとめ|強酸性の湯と天然岩盤浴は一度体験する価値あり
ピリピリの強酸性泉も天然岩盤浴も、ほかでは味わえない体験でした。コスパと湯治気分なら玉川温泉、快適さなら新玉川温泉。旅行割キャンペーンを使えばどちらも驚くほどお得に泊まれます。
湯治そのものに興味が湧いた方は湯治と新・湯治の解説記事を、東北の湯治宿なら大沢温泉 湯治屋のレビューもあわせてどうぞ。
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